「運動はちょっと苦手…」という方へ 日常で体を動かす習慣作りと簡単おうち運動
運動不足を解消したいけれど、運動そのものに苦手意識がある、忙しくてまとまった時間が取れない、という方もいらっしゃるかと思います。ジムに通ったり、本格的なトレーニングを始めたりするのはハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし、体を動かすことは、心身の健康のためにとても大切です。何も「運動するぞ」と気合を入れなくても、日常生活のちょっとした工夫で体を動かす機会を増やすことは十分に可能です。
ここでは、運動が苦手な方でも無理なく始められる、日常生活で体を動かす習慣作りのヒントと、その延長でできる簡単なおうち運動をご紹介します。
日常で体を動かす習慣作りのヒント
まず大切なのは、「運動」として身構えすぎないことです。毎日の生活の中で、少しだけ活動量を増やすことを意識してみましょう。
1. 移動方法を見直す
- 階段を使う: エレベーターやエスカレーターではなく、積極的に階段を使ってみましょう。最初は無理のない階数から始めてみてください。
- 一駅分歩いてみる: 電車やバスを利用する際に、手前の駅や停留所まで歩いてみる習慣をつけるのも良い方法です。
- 少し遠回りする: コンビニやスーパーに行く際など、目的地まで少し遠回りして歩く時間を増やしてみましょう。
2. 「ながら」で体を動かす
- 歯磨き中にスクワット: 歯磨きの時間に軽くスクワットをする、つま先立ちをするなど。
- テレビを見ながら足踏み: テレビのCM中などに、座ったままでも軽く足踏みをしたり、足首を回したり。
- 家事の合間にストレッチ: 料理の待ち時間や洗濯物を干す合間などに、伸びをしたり肩を回したり。
3. 立ち上がる機会を増やす
- デスクワーク中も1時間に1回は立ち上がり、軽い伸びや足踏みをしてみましょう。
- ゴミを捨てる、飲み物を取りに行くなど、小さな用事でも意識的に席を立つようにします。
これらの習慣は、一つひとつは小さなことですが、継続することで少しずつ体を目覚めさせ、活動的な状態へと導いてくれます。
日常習慣の延長でできる簡単おうち運動
日常生活で体を動かすことに少し慣れてきたら、さらに体をほぐしたり、血行を良くしたりするために、ごく簡単な運動を取り入れてみましょう。これらも、特別な準備は不要です。
1. 隙間時間に行える簡単運動
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立ったまま足踏み: その場で軽く足踏みをします。腕を軽く振ると、さらに血行促進効果が期待できます。目安は1分程度から。
- ポイント: 呼吸を止めず、リラックスして行います。
- 期待できる効果: 血行促進、軽いウォーミングアップ。
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椅子に座って足上げ: 椅子に座ったまま、片足ずつゆっくりと膝を伸ばし、床から少し浮かせて数秒キープ。左右交互に行います。
- ポイント: 椅子に深く腰掛け、姿勢を正して行います。無理に高く上げる必要はありません。
- 期待できる効果: 太ももの前側の軽いトレーニング、むくみ対策。
2. 体をほぐす簡単ストレッチ
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肩回し: 座ったままでも立ったままでもできます。息を吸いながら肩を耳に近づけ、息を吐きながらゆっくりと後ろに大きく回します。前回しも同様に行います。
- ポイント: 肩甲骨を意識して大きく回すと効果的です。
- 期待できる効果: 肩こり解消、上半身のリラックス。
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首のストレッチ: ゆっくりと首を前に倒し、左右に傾けます。大きく回す必要はありません。
- ポイント: ゆっくり、痛みを感じない範囲で行います。
- 注意点: 急激な動きは避けましょう。
- 期待できる効果: 首周りの緊張緩和、リフレッシュ。
これらの運動は、例えば「足踏みと足上げを3分」「肩回しと首のストレッチを2分」のように、組み合わせて行っても5分程度で完了します。
継続するためのヒント
運動習慣がない状態から新しい習慣を身につけるのは、簡単なことではありません。挫折せずに続けるためのヒントをご紹介します。
- 目標は低く設定する: 最初から毎日長時間行うのではなく、「今日は階段をいつもより1階分多く使う」「隙間時間に足踏みを1分だけやってみる」など、達成しやすい目標を設定しましょう。
- 記録をつけてみる: カレンダーに「階段を使った」とか「足踏み1分」のように簡単なマークをつけるだけでも、達成感が得られ継続のモチベーションにつながります。
- 完璧を目指さない: できない日があっても自分を責めないでください。翌日、あるいは次の隙間時間から再開すれば十分です。
- 体調が悪い時は休む: 無理は禁物です。痛みや疲労がある時は、回復を優先しましょう。
まとめ
運動が苦手でも、日常生活のちょっとした工夫から体を動かす習慣は作れます。難しいトレーニングや長時間の運動に挑戦する前に、まずは「ながら」や「ついで」で体を動かすことから始めてみてはいかがでしょうか。
そして、それに慣れてきたら、今回ご紹介したような短時間でできる簡単なおうち運動をプラスしてみましょう。小さな積み重ねが、将来の体と心の健康につながります。焦らず、ご自身のペースで、楽しみながら取り組んでみてください。