運動習慣ゼロでも大丈夫 週1回でできるおうち運動の始め方
「運動しなきゃ」と思っているあなたへ
デスクワークが中心で、普段ほとんど運動する習慣がない。 「運動しなきゃ」とは思うものの、忙しくて時間がない、疲れていてやる気が出ない、何から始めて良いか分からない。 いざ始めようとしても、つい三日坊主になってしまう。
そんな風に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
運動経験がない方が急に毎日ハードなトレーニングを始めるのは、とても大変なことです。無理をして体を痛めてしまったり、すぐに挫折してしまったりする可能性もあります。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、まず「できることから始めて、継続する」ことです。
なぜ、運動習慣ゼロでも「週1回」からで十分なのか
運動習慣がない方にとって、毎日、あるいは週に何回もまとまった時間を確保して運動するのはハードルが高いかもしれません。そこで提案したいのが、「週に1回から始めてみる」という方法です。
「たった週1回で効果があるの?」と思われるかもしれません。もちろん、毎日行う方がより高い効果は期待できますが、運動習慣がない状態から週1回でも体を動かすことには、以下のような大きな意味があります。
- 運動への抵抗感を減らす: 週1回なら「やってみようかな」という気持ちになりやすいです。運動に対する心理的なハードルを下げることができます。
- 体を動かす感覚を取り戻す: 凝り固まった体を少しでも動かすことで、血行が促進されたり、体の可動域が広がったりするのを感じられます。これが運動の楽しさや気持ち良さにつながる第一歩になります。
- 継続する自信をつける: 「週1回ならできた」という小さな成功体験を積み重ねることで、「自分にもできるんだ」という自信につながり、次のステップへ進むモチベーションになります。
- 習慣化の足がかりになる: 週1回でも決まった曜日に体を動かす習慣ができれば、それを週2回、3回と増やしていくことも現実的になります。
まずは「週に1回、体を動かす時間を作る」こと自体を目標にしてみましょう。
運動ゼロから始める週1回おうち運動の例
週1回のおうち運動は、無理なく続けられるように、短時間で手軽にできるものがおすすめです。ここでは、特別な器具を使わず、自宅で簡単にできる運動の例をいくつかご紹介します。これらを組み合わせて、ご自身の体力や気分に合わせて5分から10分程度で終えられるメニューを考えてみましょう。
1. 簡単ストレッチ(5分程度)
いきなり激しい運動をするのではなく、まずは体の緊張をほぐすストレッチから始めましょう。
- 首と肩のストレッチ: ゆっくりと首を左右に倒したり回したりします。肩は前回し、後ろ回しを数回ずつ行います。デスクワークで凝りやすい部分を丁寧にほぐします。
- 体側のストレッチ: 片手を天井に伸ばし、反対側へ体をゆっくりと倒します。体側が気持ちよく伸びるのを感じましょう。左右行います。
- 股関節のストレッチ: 床に座って足の裏を合わせ、膝を左右にパタパタと揺らします。股関節周りを柔らかくします。
ポイント: 各ストレッチは呼吸を止めずに行い、気持ち良いと感じる範囲で伸ばしましょう。無理に伸ばしすぎないことが大切です。
2. 簡単な筋トレ(5分程度)
全身の大きな筋肉を少し動かすことで、代謝アップにもつながります。ここでは代表的なものを2つご紹介します。
- スクワット(椅子を使うバージョン): 椅子の前に立ち、椅子に座るようにお尻を後ろに突き出しながら腰を下ろします。膝がつま先よりも前に出すぎないように注意し、太ももが床と平行になるくらいまで下げたら、ゆっくりと立ち上がります。椅子があると、深さを調整しやすく、後ろに倒れる心配もありません。まずは5回程度から始めましょう。
- ポイント: 視線はまっすぐ前に向け、背筋を伸ばします。呼吸を止めずに行います。
- 注意点: 膝に痛みを感じたらすぐに中止してください。
- プランク(基本バージョン): うつ伏せになり、肘とつま先で体を支えます。頭からかかとまでが一直線になるように、お腹とお尻を引き締めます。まずは20秒キープを目指しましょう。慣れてきたら時間を延ばしたり、回数を増やしたりします。
- ポイント: お腹を凹ませるように意識し、腰が反ったり、お尻が上がりすぎたりしないようにします。
- 注意点: 手首や肩に痛みがある場合は無理に行わないでください。
3. 簡単な有酸素運動(5分程度)
軽く体を温め、血行を良くするための運動です。
- 足踏み: 自宅でその場で行える簡単な運動です。腕を軽く振りながら、膝を高く上げて足踏みをします。音楽を聴きながら行うのも良いでしょう。5分程度続けるだけでも、体が温まるのを感じられます。
- ポイント: 姿勢を正して、リズミカルに行います。
- 注意点: 集合住宅などで騒音が気になる場合は、マットを敷いたり、踵を強く打ち付けないように注意したりしてください。
これらの運動はあくまで例です。ご自身の興味や体力に合わせて、いくつかの運動を組み合わせて行うのがおすすめです。
週1回のおうち運動を続けるためのヒント
週1回という頻度であっても、習慣にするためには少し工夫が必要です。
- 「いつやるか」を具体的に決める: 「今週どこかで」ではなく、「毎週日曜日の朝食前」「毎週水曜日の仕事の後」のように、具体的な曜日や時間を決めておきましょう。可能であれば、スマートフォンのカレンダーに予定として入れてしまうのも良い方法です。
- 「どこでやるか」を決める: 「リビングのラグの上」「寝室のベッド横のスペース」など、行う場所を決めておくと、スムーズに始められます。
- ハードルを極限まで下げる: 「運動ウェアに着替えなければ」「ヨガマットを広げなければ」のように、始めるまでの準備が多いと億劫になりがちです。パジャマのままでOK、立ったままできることだけやる、スマホを見ながらでOKなど、可能な限りハードルを下げてみましょう。
- 記録をつける: カレンダーに「運動できた!」と印をつけたり、簡単なメモを残したりするのも継続の助けになります。「今週もできた」という達成感が次の週へのモチベーションにつながります。
- 完璧主義にならない: 「今週はできなかった」という週があっても大丈夫です。自分を責めずに、「来週またやろう」と気持ちを切り替えることが大切です。習慣は細く長く続けることが何よりも重要です。
- 運動後の体の変化に意識を向ける: 運動した後に「体が軽くなった」「気分がスッキリした」「夜よく眠れた気がする」など、ポジティブな変化を感じたら、それを意識してみましょう。運動することのメリットを体感することが、継続の一番の原動力になります。
まずは「始めてみる」ことから
運動習慣が全くない状態から、いきなり高い目標を設定する必要はありません。まずは「週に1回、自宅で体を軽く動かしてみる」ことから始めてみましょう。
紹介したような簡単な運動でも、体を動かすことで心身のリフレッシュになり、運動不足解消の第一歩を踏み出すことができます。
週1回のおうち運動を、運動習慣を身につけるための大切なステップとして、気楽な気持ちで始めてみてください。あなたのペースで、できることから一歩ずつ進んでいきましょう。