「運動は義務じゃない」体を動かす心地よさを見つける簡単おうち運動
「運動しなきゃ」と思っているあなたへ
デスクワーク中心で体を動かす習慣が全くない、忙しくて運動する時間も気力もない。そんな毎日を送っていると、「運動しなきゃ」という気持ちだけが募っていく、ということはありませんか。
運動は体に良いと分かっていても、いざ始めようとすると「大変そう」「疲れる」「どうせ続かない」といったネガティブなイメージが先行してしまい、なかなか一歩を踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。
運動を「義務」のように感じてしまうと、さらにハードルが高く感じられてしまいます。でも、運動は決して辛いノルマである必要はありません。体を動かすことは、自分自身を大切にする心地よい時間にもなり得ます。
このコラムでは、「運動しなきゃ」というプレッシャーから少し解放され、体を動かすことの心地よさを見つけるための考え方と、自宅で手軽にできる簡単な運動をご紹介します。
なぜ運動を「義務」に感じてしまうのでしょうか
運動を義務のように感じてしまう背景には、いくつか理由が考えられます。
- 完璧を目指しすぎる: 「毎日〇分やらなきゃ」「これくらいの強度でやらなきゃ意味がない」など、高い目標設定をしてしまい、それができないと「ダメだ」と感じてしまう。
- 結果ばかりを重視する: 体重や体型の変化など、目に見える結果が出ないと「効果がない」と感じ、モチベーションが維持できない。
- 過去の失敗経験: 過去に運動を試みたけどうまく続かなかった、辛い思いをした経験があると、再び挑戦することに抵抗を感じてしまう。
- 情報過多: SNSなどで見る「〇〇日で激変!」といった極端な情報に影響され、「自分には無理だ」と感じてしまう。
このように、運動に対して必要以上に高いハードルを設けたり、自分を追い込んだりしてしまうと、「やらなければならないこと」としての側面が強くなり、義務のように感じてしまうのです。
運動を「心地よさ」に変えるための考え方
運動を義務ではなく、自分自身を大切にする心地よい時間に変えるためには、少しだけ考え方を変えてみることが有効です。
小さな「快」に意識を向ける
「完璧にやる」ではなく、「まず少し体を動かしてみる」という意識を持つことから始めます。時間や回数といった数字目標よりも、「体を動かして気持ちが少し軽くなった」「呼吸が楽になった」といった、その時の体の小さなポジティブな変化(快)に意識を向けてみてください。
自分を「労わる」時間と捉える
運動を「ノルマ」としてこなすのではなく、「今日の自分、お疲れ様。体を労わってあげよう」という時間として捉え直します。ストレッチや軽い運動は、凝り固まった体をほぐし、心もリラックスさせるセルフケアの時間です。
結果よりも「過程」を楽しむ
運動を終えた後に「〇キロ痩せた」といった結果を求めるのではなく、体を動かしているときの呼吸のリズム、筋肉の伸び縮み、血行が良くなる感覚など、過程で感じられる変化に意識を集中させてみます。音楽を聴きながら、窓の外を見ながらなど、心地よい環境で行うのも良いでしょう。
「心地よさ」を感じやすい簡単おうち運動
自宅で手軽に、心地よさを感じながらできる簡単な運動をいくつかご紹介します。どれも特別な器具は必要なく、短時間で取り組めるものばかりです。
1. 呼吸に意識を向けた肩甲骨・股関節回し
座っていても立ったままでもできます。ゆっくりと鼻から息を吸い、口から吐きながら、肩甲骨を大きく前回し・後ろ回しします。呼吸に合わせて行うことで、体の緊張がほぐれやすくなります。股関節も同様に、無理のない範囲で脚を回したり、開いたり閉じたりして、呼吸とともにゆっくりと動かします。
- ポイント: 呼吸を止めず、体の硬い部分がゆっくりとほぐれていく感覚に意識を向けます。
- 期待できる効果: 肩や股関節周りの血行促進、凝り解消、リラックス効果。
2. ゆったりリズムの足踏み・手足ブラブラ
軽い音楽などをかけながら、そのリズムに合わせて足踏みをしたり、手足をブラブラと軽く振ってみたりします。その場で足踏みをするだけでも、血行が促進され、体が温まります。競争したり速く動かしたりする必要はありません。ただ、心地よいリズムで体を揺らすことを楽しんでみてください。
- ポイント: 体の力を抜き、重力に任せて手足を揺らします。笑顔で行うとさらにリラックスできます。
- 期待できる効果: 全身の血行促進、気分のリフレッシュ、軽い有酸素運動効果。
3. 椅子を使った簡単な体の伸ばし
椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばします。息を吸いながら両腕を天井に高く伸ばし、吐きながらゆっくりと下ろします。次に、息を吸いながら片手を上げて体の側面をゆっくりと伸ばします。座ったままでも体側や背中を気持ちよく伸ばすことができます。
- ポイント: 体を倒す際は、無理せず「気持ちよく伸びているな」と感じるところで止めます。
- 期待できる効果: デスクワーク等で凝り固まった体側・背中のストレッチ、姿勢改善。
これらの運動は、あくまで「体を心地よく動かす」ことを目的としています。回数や時間に縛られず、その時の体の声を聞きながら、自分が「気持ちいいな」と感じる範囲で行うことが大切です。
継続のヒント - 心地よさを習慣にするために
運動を心地よい習慣として続けるためには、いくつか工夫ができます。
「できた!」という小さな成功を意識する
「今日は5分だけ体を動かせた」「ストレッチで肩が少し楽になった」など、どんなに小さなことでも良いので、運動で得られたポジティブな変化や「できたこと」に意識的に気づくようにします。自己肯定感が高まり、次への意欲につながります。
気分が乗らない日でも「これだけは」を決めておく
どうしてもやる気が出ない日はあるものです。そんな時は、「とりあえず深呼吸を3回する」「腕をブラブラさせるだけ」など、さらにハードルを下げた「これだけはやる」という超簡単な行動を決めておきます。ゼロにしないことが継続の鍵です。
運動で得られた良い感覚を振り返る
運動を終えた後、「体が軽くなった」「頭がスッキリした」「気分が明るくなった」など、感じた良い変化を心の中で唱えたり、メモに残したりするのも良い方法です。ポジティブな体験を記憶することで、次に体を動かすときの動機になります。
まとめ
運動は、必ずしもストイックに追い込む「義務」である必要はありません。特に運動習慣がない方にとって、最初の一歩は「体を心地よく動かしてみる」という感覚から始めるのがおすすめです。
自宅でできる簡単な動きを通して、凝り固まった体がほぐれる感覚、血行が良くなるポカポカ感、気分がリフレッシュする爽快感など、体の心地よさに目を向けてみてください。
「運動しなきゃ」というプレッシャーを手放し、自分自身を労わる大切な時間として、今日から少しずつ体を動かしてみてはいかがでしょうか。